盆提灯について

盆提灯について

新盆には盆提灯を贈りましょう

お盆になると、各家庭では仏前に提灯のあかりを灯して仏様やご先祖様、故人の霊をお迎えしますが、特に新盆(初盆ともいう。故人の忌明け法要後初めての盆)を迎える家庭では、親戚や子供たち、友人知人から送られた色とりどりの「盆提灯」が飾られ、お供えも盛大になり、いつものお盆よりもにぎやかになります。
飾られている提灯の数は、故人がいかに慕われていたかを表すものでもあります。生前親しかった人や、お世話になった人が亡くなって際は、新盆にその故人への感謝の気持ちを込めて盆提灯を贈りましょう。
喪家側では、新盆提灯として家紋入りの白張り提灯を玄関や仏前に飾ります。親族や友人が盆提灯を贈る場合、喪家の家紋を入れて贈るのが最も丁寧だとされていますが、最近では毎年使えるように絵柄入りの提灯を贈ることが多くなっているようです。
種類は多種多様で、地域によって違いもあるので、提灯を取り扱っている仏壇仏具店などに相談するとよいでしょう。
飾り付けの準備期間も考慮して、前月末から最低1週間前には喪家に届くように手配するのが礼儀です。

盆提灯の歴史

7月13日の夕方に門前でおがら(皮を剥いだ麻の茎)を焚いてご先祖様や故人の霊を迎えることを「迎え火」といい、16日の夕方、同じようにおがらを焚くことを「送り火」といいます。これは仏様、ご先祖様の霊が迷わず行き来するための道しるべだと言われています。
そして江戸時代頃から、この迎え火の火を提灯に移し、お盆の期間中飾りつけるという風習がはじまりました。最近では都心の住宅事情もあって、実際に火を焚くことができない場合が多いため、提灯のあかりで、迎え火、送り火とするようになりました。

提灯の種類

提灯の素材は本来、和紙と竹ひごで作られています。また、手板や加輪、脚部などには木材が使用されています。そのため提灯産地には、和紙の産地で、それを漉く川があり、竹や木材の産地であることが必要な条件となります。岐阜や八女(福岡)は、これらの条件を満たしており、提灯の産地として有名です。
現在、神前用、七夕などの行事、お祭り用、またインテリアとして、伝統的なデザインを踏襲しながらも、現代的な雰囲気を持つデザインの提灯が増えてきました。
<資料提供>家田紙工(株)、(株)フジキ工芸産業
御殿丸提灯
九州、四国、中国、北海道、関東の一部で使われています。
岐阜(壺型・御所型)提灯
関東、北海道を中心に全国で使われています。
住吉提灯
九州、茨城など関東の一部で使われています。
博多長提灯
福岡市周辺、佐賀県の一部、茨城県で使われています。
輪廻灯
全国的に使われています。秋草や山水柄が回転して灯籠のように映し出されるのが特徴です。
門提型(丸型・長型)
全国的に使われています。
霊前灯
葬儀の際の灯明として全国的に使われています。
行灯
全国的に使われています。
切子灯籠
大分、四国、中国地方で使われています。