お墓の改葬の仕方

お墓の改葬の仕方は?

改葬とは

改葬とは、お墓の引越し(遺族の引越し)のことを言います。都会で暮らしていて田舎にあるお墓のお参りができないとか、お墓の維持管理をする人がいなくなったといった理由で、お墓を移転する人が増えています。地方から都会へといったケースでだけでなく、都会から地方へ、地方から地方へと、さまざまなケースがあるようです。お墓はお参りをするからこそ価値があるもの。お参りにより便利な場所にお墓を移したいと考えるのは自然な感情ともいえるでしょう。少子化などの現象もあいまって、今後はさらに改葬をする人が増えるものと予想されます。

改葬の手続き

①「受け入れ証明書」の発行
まずは新しいお墓の場所を決めることが先決です。新しい墓地が決まったら管理者から「受け入れ証明書」を発行してもらいます。

②「改葬許可申請書」の入手
次に、現在ある墓地の所在地の市区町村役場で「改葬許可申請書」をもらいます。この「改葬許可申請書」は各市区町村によって様式が異なりますが、これと「埋蔵(埋葬)証明書」がひとつの書類になっている例も多いようです。

③「埋蔵(埋葬)証明書」の発行
このように書類がひとつになっている場合は、現在の墓地の管理者に依頼し、「埋蔵(埋葬)証明書」に署名捺印をしてもらいます。「埋蔵(埋葬)証明書」がない場合には、埋葬されている死亡者の氏名、墓地の使用者名を記入し、管理者に署名捺印してもらいます(特に書式はありません)。

④改葬許可の申請
こうして書類が揃ったところで、「改葬許可申請書」に必要事項を記入し、「受け入れ証明書」と「埋蔵(埋葬)証明書」を添えて現在の墓地の所在地の市区町村に改葬を申請します。問題がなければ受理され、「改葬許可証」が発行されます。
なお、改葬許可申請書は遺骨1体につき1枚が必要になります。

お寺の理解を求める

手続きについては先に述べたとおりですが、現実の改葬でネックになるのがお寺の理解です。元のお墓が公営墓地や共同墓地にあるなら問題はありませんが、お寺の墓地の場合には改葬の了解を取り付けなくてはなりません。

しかし、お寺からすれば長年世話をしてきたという思いもあり、移転を巡ってトラブルになるケースも決して少なくありません。こうしたトラブルを未然に防ぐためには早めに相談を持ちかけることです。そして、事情をよく話して、理解を求めます。
お墓が遠くてなかなかお参りに来られない、お墓を継承してくれる子供がいない、などといった事情を話し、お墓を移す必要があることを訴えます。さらに、今までのお礼を述べて謝礼を払うのが一般的な解決策です。

改葬にかかる費用

改葬にあたっては新たにお墓を建てるお金とは別に、いくつかの費用が発生します。まず、元のお墓がお寺にあった場合には、そのお寺に謝礼を払うのが一般的です。
次に元の墓地の墓石を撤去し、更地にして返還しなければなりませんから、その費用が発生します。さらに、遺骨の取り出しと納骨の費用、墓石を新しい墓地でも使用するならその運送費、法要のお布施などが発生します。
金額については個別のケースによってかなり変わってきますが、大体50万円から100万円程度を見込んでおいたほうがよいとされています。
以上は改葬にかかる費用ですが、新しく墓地を求め、そこに墓石を建立するとなると、新たな費用が発生します。墓地や霊園の永代使用料、霊園の場合には管理料、墓石の代金、工事費などがかかります。この費用は墓地の大きさや使用する石材などによってかなり大きく変わってきます。
なお、改葬にあたっては墓地の専門家である石材店がサポートしてくれます。費用や手続きなどもぜひ相談してみてください。